明けましておめでとうございます。徳川美術館「源氏物語の世界」―王朝の世界―に行って来ました。

紫式部の『源氏物語』あまりにも有名で聞いたことが無いという方はいらっしゃらないかもしれません。

今回の展覧会では10世紀に書かれたこの小説が現在まで読み継がれているさまを時代を追って伝本、注釈書、新訳書などを使って紹介しています。

 

またその表裏一体をなすこの物語が「源氏絵」として絵巻や屏風、色紙など現在まで繰り返し描かれた作品も紹介されていました。

 

国宝「源氏物語絵巻」は保存のため、額面から巻物の姿へと修復を終えました。その中からほんの一部ですがご紹介したいと思います。 今回は展示されていませんでしたが、絵の具が剥落したものを本来の姿に忠実によみがえらせた作品も併せてご紹介したいと思います。

 

2015年赤外線調査で別の構図の下絵が見つかりました。

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「柏木三」
光源氏が息子「薫」を生誕五十日の儀式で抱く場面。
実の子ではないと知りながら我が子として薫を抱き上げる。
源氏自身も義母「藤壺」と密通して子を産ませた過去があり、因縁に苦悩する様を表しています。
それは完成した絵ではおくるみに大人しく収まっていますが、下絵では愛らしい両手を源氏に向けて伸ばしているところに表れているのではないでしょうか。

国宝の「柏木三」

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復元模写 見事によみがえった「柏木三」

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国宝の「宿木三」

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中君(なかのきみ)のすぐれぬ心を紛らわせようと、しみじみとした秋の夕暮れ、琵琶を弾いて聞かせます。
中君はひととき恨みを忘れたかのように聴き入りますが、また涙を流します。
私(中君)に飽きてしまわれた様子。
身重の妻「中君(なかのきみ)」と「薫」との仲を疑う「匂宮(におうのみや)」。そんな自分を恨めしく思う。

「宿木三」復元模写

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当時のまま忠実に復元した絵から平安時代の王朝の様子が見られますね。

あまりの雅さにうっとり。タイムスリップして楽しみました。