「北斎」展 門外不出の日めくりカレンダー「日新除魔図」を訪ねて~九州国立博物館2022年4月16日~6月12日まで

重要文化財「日新除魔図(にっしんじょまず)(宮本家本)」江戸時代・天保13~14年(1842〜43)九州国立博物館蔵(坂本五郎氏寄贈)

 

この作品は、北斎(1760~1849)が83~84歳過ぎに描いた日めくりカレンダーです。貴重な肉筆画で、全部で219点あります。

日々の魔除けを祈願して1日1頭の獅子を描きました。読んで字のごとく「日、新たに魔を除く」ことを願い、毎朝の日課として描かれたものです。

また一説には孫の素行不良に悩まされ、「我が孫なる悪魔を払う禁呪」と呼び、孫と関係があったのかもしれないそうです。(葛飾北斎伝より)

獅子たちの絵は、勇壮だったり、ユーモラスだったり、可愛らしかったり、神秘的だったり。一枚として同じものがなく、表情が興味深くて面白かったです。

全部は無理ですので、興味を惹かれたものを少しですがアップしますね。

ありました。あっこのお誕生日の絵。

 

文殊菩薩が眷属の獅子に乗っています。

主役は獅子舞の「中の人」

シシ16、しろく二十シシ

愉快な北斎を選んでみました。



「宮本家本」とは

謝罪として松代藩藩士・宮本慎助に贈られたもの。実は宮本氏から頼まれた絵を待たせているお詫びに贈ったそうです。

この時、北斎は吉祥の意味を持つ「宝珠図」や長生きの秘訣を綴った「長寿の薬法」を添えました。厄除けのほか福寿、長寿の願いも加味したそうです。

宝珠図

 

平成29年に門外不出という条件付きで坂本五郎氏から九博に寄贈されました。

それ故、「日新除魔図」219点が一挙に全場面見られるのは九博だけです!!!

会場では全場面撮影OK!日付も書いてあるので誕生日とか記念日とか来館日など探してみて~とのこと。自分探しで大いに盛り上がって大勢の人でにぎわっていました。

今更ながらですが、世界でもっとも有名な日本人画家に選ばれるだけありますね。

 

その全場面が日本で初めて一般公開されました。

日頃の自分へのご褒美!見逃すことなく無事行ってきました。

 

この展覧会は「日新除魔図」だけでなく、この作品と制作年代が近い版画シリーズ「富嶽三十六景」や肉筆画の美人図、これがまた素晴らしい!北斎の中でも一級品でした。北斎が亡くなる3か月前に描いた「富士越龍図(ふじごしりゅうず)」等々とても充実した内容のものでした。

さらに北斎85歳のころの作品、長野・小布施から迫力満点の「東町祭屋台天井絵」が特別公開。まだ見ていなかったのでその豪華さに目を見張りました。

特別展「北斎」を担当者がご紹介 - YouTube