お正月三が日には国宝の「吉祥天女画像」特別公開、食堂(じきどう)特別公開、国宝東塔水煙公開、玄奘三蔵院伽藍公開など盛り沢山でした。
何年かぶりの薬師寺!
焼失した食堂(じきどう)が再建されていました。
平成29年(2017年)に再建されまだ目新しい~。
すでに亡くなられた高田好胤管主が、白鳳伽藍復興を呼び掛けて50余年、ついに完成しました。
創建当初の食堂(じきどう)は730年(天平2年)頃に建てられ、973年に焼失して以来再建の記録が残っているものの詳細は不明なのだそうです。
今回復興した食堂(じきどう)には仏教伝来の歴史を描く全長約50mの壁画「仏教伝来の道と薬師寺」14面が奉納されています。
描いたのは、愛知県立芸術大学で教鞭をとられたことのある日本画家の「田渕俊夫」さんです。
食堂(じきどう)の中央にはご本尊「阿弥陀三尊浄土図」、6m四方もある日本最大の壁画が奉納され、その両脇に壁に沿って、仏教が中国の長安を通って日本の飛鳥に上陸し、藤原京、平城京、薬師寺へと到達した様子が描かれています。
配置図
おもな作品
1:「旅立ち」 遣唐使一行が中国・長安から文物や仏法を携えて日本に戻ろうとする場面、左奥の塔は中国・長安の大雁塔です。
2:「遣唐使船」
3:「大和へ」
4:「瀬戸内」 東シナ海、玄界灘を経て瀬戸内へと。鳴門の渦潮が描かれています。
5:「帰帆」
食堂ご本尊 「阿弥陀三尊浄土図」
7:「大和川」 奈良・桜井市金屋あたりが船着き場で、仏教伝来の地とされています。
9:「うねび」
10:「耳成山(みみなしやま)」、二上山(ふたのかみやま)が見えてきました。
11:「藤原京」 薬師寺、大官寺、橘寺、川原寺を描き、仏教が日本で花開いたことを表しています。
天平当初の食堂は、仏の教えを実践する僧侶の生活の場(食事をするなど)であり、仏教儀礼などが行われました。今は法要、法話など多目的に使われているそうです。
一歩中に入るとそのあまりの崇高さに思わず佇んでしまいました。
とても美しい絵です。機会があれば是非一度ご覧になってください。