2023年9月水木しげる生誕100 周年記念「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展~お化けたちはこうして生まれた~」名古屋市博物館~(^^♪

今夏は9月になっても暑い日が続いています。少しお化けのお話でひんやりしたいと「百鬼夜行展」に行ってきました。

この展覧会は、水木しげるさんの生誕100年記念です。妖怪たちが酷暑の名古屋に勢ぞろい!!!

水木さんはご自身を妖怪文化人と仰っています。

妖怪は怪獣のように作り出されるべきではない!昔の人たちが残した遺産だ!妖怪の型を後世に残さなければならない。

故に水木さんの妖怪は、大昔から伝えられた妖怪たちをもとに描かれています。また幼い頃、近所の「のんのんばあ」から聞かされた数々の不思議なお話や南方戦線に送られ、ジャングルの中で体験した怪異現象のエピソードなどが創作の秘密です。

例えば、彼の描く妖怪たちの元本は

奈良時代では『古事記』や『日本書紀』に出てくる天狗、鬼、人魚、狢(むじな)など。平安時代は『今昔物語』から、鎌倉時代は『明月記』から、室町時代では『大江山絵詞』、酒呑童子、土蜘蛛草紙などから、江戸時代では浮世絵絵師・鳥山石燕版本『画図百鬼夜行』、葛飾北斎の「百物語」、歌川国芳の「相馬の古内裏」など、明治時代では小泉八雲著『怪談』、柳田邦男著『妖怪談義』などたくさんの資料を読み、学び、イメージして制作しています。

今回の展覧会にもフォトスポットが用意されていましたのでお写真をアップしてみます。

★がしゃどくろ→歌川国芳の浮世絵「相馬の古内裏」より。戦死者や野垂れ死にした骸骨が怨念で巨大化。ガシャガシャと野をさまよう妖怪。

★べとべとさん→奈良・宇陀郡に伝わる妖怪。道を歩いていると後ろから足音が!脇によって「べとべとさん、先へおこし」と云うと足音がしなくなる。

一反もめん→鹿児島に伝わる妖怪。10mほどの白い布。空を飛び時には人を襲う妖怪。

★塗り壁→福岡県に伝わる妖怪。夜道を歩いていると急に壁にぶち当たり動けなくなる。目がキョロキョロと動く愛嬌のある妖怪。手も足もある。「ゲゲゲの鬼太郎」に登場。

砂かけ婆奈良県の妖怪。神社の森陰に潜んで、通る人に砂をバラバラっと掛け脅かす妖怪。

★児啼爺(こなきじじい)→徳島県に伝わる妖怪。赤ん坊の泣き声がするので抱き上げるとしがみついて離れない。しまいにはその人の命を取ってしまう妖怪。

★あかなめ→鳥山石燕版本『画図百鬼夜行』より。風呂桶の垢をなめる妖怪。誰もいない夜に出る。

★アマビエ→熊本県の海に出る妖怪。「病気が流行ったら私の写しを早々と見せよ」。コロナウイルスの時大流行したのは、これだったのかしら?

93年に渡る生涯の中で、日本の妖怪だけで1000点近くの妖怪画を描いたと言われています。ほんの一部をご紹介しました。

どの妖怪も夕方や夜に出るようです。怖い、怖い、怖い~~~!

水木さんは「妖怪の中にむかしの人々の気持ちが、いろいろ込められているような気がしてならない」と・・・皆様は如何ですか?!