奈良国立博物館「聖地南山城―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝」展に行ってきました~♪

南山城は京都南部、木津川に沿って広がるところ。

15世紀応仁の乱で焼け野原になった都からは離れた地域ゆえに、戦禍からまぬかれました。そこには山あいの寺々で守られて来た信仰と仏教の至宝が数多く残っています。

また古都・奈良と木津川をはさんで隣接しているこの地域は聖武天皇が一時は「恭仁京」を置いたことでも知られています。

 

この展覧会は聖武天皇恭仁京の造営から始まり、江戸時代に念仏を南山城で広め、活躍した人までこの南山城で花開いた仏教美術を時代ごとに展示しています。

 

ずっと前、南山城の仏像巡りに友人と二人で行きました。想い出深い仏像にまた再びお会いできることにわくわくしました。

 

私の見どころは順不同ですが・・・

  • 浄瑠璃寺 国宝 阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀)およそ110年ぶりの保存修理の完成を記念して、そのうちの2軀を修理後初公開。ピカピカに磨き上げられ、いっそう神々しくなっていました。

  • 浄瑠璃寺 重文 本尊・薬師如来坐像十二神将立像は140年ぶりに里帰りし、再会しました。はじめてお目にかかることに興奮気味。

     

     





  • 京都・薬師寺和束町]重文 薬師如来坐像と蟹満寺 重文 阿弥陀如来坐像はそっくり。よく似たふたつの如来像がそろって展示されるのは初めてとか。

    足先を着衣でおおうところや、左足が上になっているところが似ています。


  • 京都・常念寺[精華町]重文 菩薩形立像 神仏習合の過程で生み出された菩薩形の薬師像。私の心の中はいつも「神様、ほとけ様」と拝む神仏習合なのです。

  • 京都・海住山寺 重文 十一面観音立像 古来より観音信仰の聖地だったことを物語る奈良時代の仏像に倣(なら)った表現が見られるとのこと。

  • 京都・海住山寺 重文 四天王立像は1214年作、今も色鮮やか。見事な彫技。

  • 神童寺 重文 愛染明王像は智証大師円珍の本尊と伝わる。弓と矢で星々の光を射抜き、人々に正しい道を教えてくれる天弓愛染の彫像は少なく大変貴重。修験道霊場である神童寺に伝わっている。

    神童寺 重文 不動明王像は別名「白不動」と言われ、全身真っ白のお姿。智証大師円珍の念持仏と伝わる。可愛い!膝小僧を見せてやんちゃなお姿。


     

  • 京田辺市・寿宝寺 重文(左)降三世明王立像、(右)金剛夜叉明王立像は密教尊の五大明王のうちの2軀。

  • 京都・朱智神社 京都府指定文化財 牛頭天皇立像(ごず天皇立像)外部からの邪気の侵入を防ぐ目的で本像を安置したらしい。初めて見ました。小さくても天皇様。

  • 京都・禅定寺[宇治田原町]重文 十一面観音立像は堂々としたたたずまい。意志的な表情は奈良時代の乾漆造の仏像のよう。

  • 京都・大智寺 重文 文殊菩薩騎獅像は快慶作・安倍文殊院(あべのもんじゅいん)の文殊像にそっくり。さもあらん、このお像を手本としているそうです。奈良時代行基の架けた泉大橋の材を使って1318年に橋柱寺の本尊を作ったという縁起絵巻も展示されていました。

  • 京都・現光寺 重文 十一面観音坐像は断然ピカ一の美仏!引き締まったからだ、動きのある衣文。南山城と言えばこの仏像!!!私の一押し!

    朝一番、9時過ぎに並んで入場、ランチをはさんで2時半まで仏像に魅入りました。何年振り?ゆっくり仏像三昧が出来ました。

ずっと以前、南山城に行った頃は秘仏が多く、拝観日は限定でした。指定日めがけて何度も通いました~。祈りのよりどころとなった至宝に、今こうして360度拝観でき、ほんとに嬉しいです。