京都東山の八坂神社、円山公園のお隣にひっそりとたたずむお寺、長楽寺に行ってきました。寺伝によりますと、古くから洛中随一の景勝地として西行の「山家集」や「平家物語」に登場し、源平合戦後に安徳天皇の母、建礼門院がこの寺で髪を落としたことで知られています。
御本尊(准低観音)はおよそ1200年前から歴代天皇の即位や厄年に勅使の立ち会いのもとで開帳される「勅封の秘仏」です。
2019年5月1日に新天皇が即位され、それに合わせて、平成改元時に開帳されて以来、およそ30年ぶりに公開されました。
長楽寺は、平安時代、天台宗の開祖、最澄(767~822)が桓武天皇(在位781~806)の勅命で805年に創建しました。
本尊の准胝(じゅんてい)観音像は最澄自身の作とも伝えられています。
最澄が唐への渡航時、遣唐使船が難破しそうになり、「南無観世音菩薩」と称えると、二頭の龍にまたがった観音様が懐に飛び入り、そこで波がしずまったと言う伝説通り観音様は2頭の竜に囲まれたハスの上に立っています。(長楽寺HPより)
像高およそ40cm、目が3つ、腕が18本で、左右に大きく広げ、多くの人々を救済するお姿です。現地の方の説明によりますと、ところどころ赤や緑の鮮やかな彩色が残っているそうですが、遠くて、暗くて確認できませんでした。
また本堂に安置された色鮮やかな大きな厨子は江戸時代、後水尾天皇の中宮・東福院が寄進したものだそうです。
御本尊の撮影は禁止されていましたので残念ながら看板から撮らせていただきました。
境内は山の斜面にあり、本堂と宝物館、きれいな庭園などが拝観できます。