スティーブ・ジョブズも魅了したという旅情詩人・川瀬巴水(1883-1957)の木版画の展覧会に行ってきました。
巴水を見るのは今回で何度目になるでしょう、大ファンの版画家なのです。
なかでも一番好きな版画は「上州法師温泉」1933年(昭和8年)の作品!
両手を広げ、足を浴槽のふちにかけて~、まぁなんてのんびりと湯を楽しんでいることでしょう。自然に笑みが広がってしまいます。(笑)
なんとこの作品は、かのアップル・コンピュウターのスティーブ・ジョブズ氏お買い上げです。彼は日本の新版画がお好きで、中でも特に川瀬巴水のファンだったそうです。
今回の展覧会はパラミタミュージアム開館20周年を記念したもので、巴水の生涯をたどった279点に及ぶ大展覧会でした。
3部構成になっており、その中からほんの一部ですがご紹介したいと思います。お写真はチラシとネットからお借りしました。
第1部
版画の制作を始めた頃から関東大震災が起きるまで
巴水、ふるさと東京を描く『東京十二題』より
★《月嶋の渡舟場》1921年
第2部
震災を経て変化した作風
震災から立ち上がって世界的視野で日本の風景を描く。
「旅情詩人・巴水」名声の確立
『東京二十景』から
★《芝増上寺》1925年
★《馬込の月》1930年
「昭和の広重・巴水」独自の視点から見た東海道風景『東海道風景選集』から
★《日本橋(夜明け)》
『日本風景集Ⅱ関西篇』から
★《二見ヶ浦》1933年
第3部
太平洋戦争前後から晩年まで
巴水、新境地を開拓、円熟期へ
スランプから脱出
『朝鮮八景から』
★《金剛山三仙巖》1939年
旅を愛し、日本の原風景を描いた巴水。
★《増上寺之雪》1953年
★絶筆《平泉金色堂》1957年
スティーブ・ジョブズと巴水
ジョブズの「美」の原点から
★《上州法師温泉》1933年
★《西伊豆木負》1937年
今回はまだ見たことがない作品がたくさんありました。
やっぱり旅情作品に惹かれましたね。広重、北斎も素晴らしいけど巴水もホントにしみじみと楽しめました。